【糖尿病とその対策メモ】 by ヤスコヴィッチ
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まずはヤセコヴィッチへの道を探求し始めました。(笑)
やがては、スーパーヤスコヴィッチへ・・・・
【生活習慣病としての糖尿病】
糖尿病は食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足、肥満、ストレスなどが発症因子として働く「生活習慣病」である。
膵臓から分泌されるインスリンの分泌不足やインスリンの作用低下により血液中のブドウ糖が増え、高血糖状態になり、その状態が続くと糖尿病になる。
【糖尿病の自覚症状】
高血糖が続くと、異常に食欲があったり、のどが渇いて水ものをたくさん飲んだり、トイレが近くなり尿の量が増えたり、食べても食べてもお腹が空いたり、食べているのに痩せたりする。
合併症のためにおこる症状としては、目が霞んでよく見えない、足などが痺れたり、つったり、からだがむくんだりする。
【糖尿病のタイプ】
<1型糖尿病>・・・膵臓でインスリンがほとんど作られないため、治療にはインスリン注射が欠かせない。
小児、若年発症。痩せている。急性。
<2型糖尿病>・・・インスリンが作られているものの、分泌量が少なかったり、適切に働かないタイプ。
生活習慣が原因であることが多く、食事療法と運動療法を基本に、必要に応じて薬物療法が行われる。 成人発症、メタボに多い。
日本人の糖尿病患者の約95%は、2型糖尿病といわれる。
【糖尿病の診断基準】
検査で「糖尿病型」と判定されれば、「糖尿病」と診断される。
2007年の厚生労働省の調査で、日本の糖尿患者が880万人、糖尿病予備群(糖尿病の可能性を否定できな人)1320万人、合計で2210万人が糖尿病・糖尿病予備軍という調査結果が報告されており、その数は日本国民の成人5人に1人という割合で、糖尿病は日本の「国民病」であるといえる。
正常時の血糖値は70~100mg/dl に維持されている。
<糖尿病の判定基準>
①HbA1cが6.9%以上
②空腹時血糖値が126mg/dl以上
③随時血糖値が200mg/dl以上
①と②、③のいづれかが確認されれば、「糖尿病」と診断される。
血糖値・・・血液中のブドウ糖の量を示す値。食事の前後や体調に左右される。
HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)・・・糖化ヘモグロビンC区画のことで、過去数カ月の血糖値の平均を反映する。
【糖尿病(2型)の治療】
糖尿病の治療は食事療法、運動療法、薬物療法の三本柱がある。
<食事療法>
最も基本となる治療で、
①適切なエネルギー量をバランスよく摂る。(1日約1600~1800cal)
②栄養バランスのよい食事を心がける。
③1日3食、規則正しく食べる
④食べ物は、できるだけ固いものをよく噛んで食べる。
<運動療法>
運動には、インスリンの働きをよくし、血糖値を下げる効果がある。
①ウォーキング、体操、水泳、水中歩行などを毎日続ける。
②階段昇りやつま先立ち運動など日常の動作を工夫して運動化する。
<薬物療法>
食事と運動では十分な効果が得られない場合は、経口血糖降下剤やインスリン注射による薬物療法を行う。
【糖尿病の治療の目的】
糖尿病の治療の目的は、血糖コントロールを良好に保ち、合併症を予防すること。
糖尿病の合併症はHbA1cが6.9%を越えると発症しやすくなる。
<血糖コントロールの目安>
<HbA1c(%)>・・・
6.2%未満(優)
6.9%未満(良)
※8.4%以上は不可
<空腹時血糖値(mg/dl)>・・・
80~110未満(優)
110~130未満(良)
130~160未満(不十分~不良)
※160以上は不可
<食後2時間血糖値(mg/dl)>・・・
80~140未満(優)
140~180未満(良)
180~220未満(不十分~不良)
※220以上は不可
◆ 血糖値の自己測定
血糖値のコントロールに欠かせないのが、血糖値の自己測定。
血糖値の自己測定器セット(テルモ メディセーフ ミニセット)やチップや針は、医者の処方は不要で、薬局とかアマゾンなどで自由に購入できる。
使用したチップや針は医療廃棄物として、掛り付けの病院で処理してくれるという。
テルモ メディセーフ ミニ 血糖値自己測定器セット ¥ 12,800
【糖尿病の合併症】
神経障害、網膜症、腎障害は糖尿病の三大合併症。三大合併症は糖尿病発症後5~10年で現れ、糖尿病の罹患期間が長いほど、発症しやすくなる。
<糖尿病三大合併症> 細い血管に起こる合併症
①糖尿病神経障害(し)・・・手や足のしびれや痛み、麻痺などが起こる。立ちくらみ、発汗異常、排尿障害、下痢・便秘、勃起障害(ED)などもみられる。
検査・・・アキレス腱反射検査
②糖尿病網膜症(め)・・・網膜の血管に障害が起き、視力障害が起こる。
糖尿病網膜症は成人後の失明原因のトップ
検査・・・眼底検査
③糖尿病腎症(じ)・・・腎臓の働きが低下し、疲れやむくみ、貧血などが現れる。
腎機能が低下し、腎不全になれば、人口透析が必要。
透析導入の原因の第1位が糖尿病腎症
検査・・・尿検査
◆【動脈硬化】
高血糖状態が続き、血管が傷つき、プラーク(コレステロールなどのかたまり)が詰まりやすくなった状態を動脈硬化という。動脈硬化が、心筋梗塞、脳梗塞、狭心症といった重大な病気の引き金になる。
糖尿病はインスリンの作用不足による“代謝の病気”であるばかりでなく、全身の血管に障害が起こる“血管病”でもある。
◆【狭心症】
狭心症とは、心臓の筋肉(心筋)に酸素を供給している冠動脈の異常(動脈硬化、攣縮など)による一過性の心筋の虚血のための胸痛・胸部圧迫感などの主症状。虚血性心疾患の1つである。
一般的に狭心症は心臓の冠動脈にプラークという固まりができ、血液の通り道を狭くすることによって起こるもの。誘因としては高血圧、高脂血症、肥満、高尿酸血症、ストレスなどが考えられる。
①冠攣縮型(異型)狭心症は、心臓の血管そのものが異常収縮をきたし、極度に狭くなってしまうために起こる。
②微小血管狭心症は、心臓内の微小血管の狭窄及び攣縮によって起こるもの。
なお、完全に冠動脈が閉塞、または著しい狭窄が起こり、心筋が壊死してしまった場合には心筋梗塞という。
◆【心筋梗塞】
心筋梗塞は、虚血性心疾患のうちの一つ。心臓が栄養としている冠動脈が閉塞や狭窄などを起こして血液の流量が下がり、心筋が虚血状態になり壊死してしまった状態。通常は急性に起こる「急性心筋梗塞 」のことを指す。心臓麻痺・心臓発作とも呼ばれる。
心筋が虚血状態に陥っても壊死にまで至らない前段階を狭心症といい、狭心症から急性心筋梗塞までの一連の病態を総称して急性冠症候群 (acute coronary syndrome; ACS) という概念が提唱されている。
◆【脳梗塞と脳溢血と脳卒中】
脳卒中の中に、脳梗塞・脳血栓・脳溢血が含まれる。
脳卒中は、脳血管の急激な循環障害を起こす症状の全てをいう。
①脳梗塞=脳内の血管が動脈硬化などで塞がってしまうもの。
②脳血栓=脳の動脈に血液の固まりが出来て栓をしたように詰まってしまうもの。
③脳溢血=脳組織内に出血を起こすものをいう。脳内出血、くも膜下出血などがある。
<糖尿病の合併症> 太い血管に起こる合併症
①脳梗塞 ②狭心症 ③心筋梗塞 ④閉塞性動脈硬化症
<その他の合併症>
①歯周病 ②皮膚の感染症 ③骨粗鬆症 ④潰瘍・壊疽
【糖尿病と肥満】
日本の糖尿病患者の9割以上を占める2型糖尿病は生活習慣が原因。なかでも、肥満は糖尿病の発症に大きく関わる要因の1つ。
近年、食習慣の欧米化や運動不足などにより、日本でも肥満が増えている。男性では中高年の約3割が肥満で、女性も60歳代から急増。
肥満は「万病のもと」で、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病のほか、さまざまな病気の原因となる。
<肥満しているとなりやすい病気>
①高血圧 ②糖尿病 ③脳卒中 ④心臓病 ⑤脂肪肝 ⑥高脂血症 ⑦痛風 ⑧腰痛・関節障害 ⑨睡眠時無呼吸症候群
<肥満と血糖値の上昇>
肥満になると、インスリンの働きがにぶくなるため、膵臓のβ細胞などはインスリンをたくさん作ろうと働き続け、体内のインスリンの量も増加する。しかし、やがて膵臓が疲れて機能が低下してしまい、血糖値が上がり始める。
【内臓脂肪型肥満】
肥満のタイプには女性に多い皮下脂肪型肥満と男性に多い内臓脂肪型肥満がある。
内臓脂肪型肥満になると、インスリンの効きが悪くなり(インスリン抵抗性)、その結果、糖尿病だけでなく、高血圧、高脂血症などがいっぺんに起こってします「メタボリック・シンドローム」の状態になる。
いくつかが重なると動脈硬化が急速に進行し、脳卒中や心臓病になる危険が高まる。
肥満は「万病の元」、内臓脂肪は「諸悪の根源」。
◆◆<肥満を防ぐ食事療法>
糖尿病にも肥満にも食事療法は有効で、その食事のポイントは、
①摂取カロリーを控える。(1日1600~1800cal)
②糖分の多いものを控える。(自分はパピコとマイルド・カフェオレ)
③よく噛む。(1口30回を目標に)
④満腹になるまで食べない。
⑤揚げ物や油の多い料理を控える。
⑥間食や夜食は控える。
◆◆<食事療法と運動療法を並行して行う>
肥満の解消には、食事療法と運動療法をあわせて行った方が、体重の減り方が大きいことが分かっている。
運動療法としては、ウォーキング、ジョギング、自転車、水泳、水中ウォーキングなど全身を使う有酸素運動をできるだけ毎日続けると十分効果が上がる。
【低血糖と症状とその対処法】
◆低血糖
低血糖を起こす疾患・原因には様々なものがある。
最も多いのが糖尿病の薬物療法に伴うもので、インスリンの過剰な状態になった時に低血糖になる。
糖尿病でインスリン治療や経口血糖降下剤投与を受けている人が、食事を抜いたり、激しい運動をしたりすると、薬が効きすぎて血糖が下がり過ぎる。
また薬の量を間違えてたくさん飲んだり、インスリンを多く打ち過ぎたりした時も、低血糖になる。
またほとんど何も食べないで酒(アルコール)を飲み過ぎたときにも低血糖に至る可能性が高いので、宴会の席では急性アルコール中毒同様に注意が必要。これは飲んだアルコールを分解する時に糖が使われ血糖値が下がっていくことで起こる、『アルコール性低血糖』という。
◆低血糖の症状
正常時の血糖値は70~100mg/dl に維持されている。
薬やインスリンの過剰により血糖が下がりすぎると、以下のような症状が現れる。
<血糖値が60mg/dl以下>
動悸・震え、眠気・生あくび、めまい、ふらつき、集中力欠如、空腹感、健忘症などの症状が出てくる。
糖尿病で普段高血糖状態にあると、これらの症状はもっと高い血糖値でも現れてくる。また血糖値の下がるスピードが速い時も、比較的高い血糖値で症状が現れ始めることもある。
<血糖値が50mg/dl以下>
中枢神経の働きが低下し、無気力、倦怠感、計算力低下などの症状が現れる。
<血糖値が40mg/dl以下>
発汗(冷汗)、動悸(頻脈)、顔面蒼白、顔面紅潮など
<血糖値が30mg/dl以下>
意識レベルが低下し、昏睡状態から死に至ることもあり、その結果重大な事故につながることもある。
このような状況になる前に対処することが重要。
◆低血糖時の対処法
<意識があるとき>
①ブドウ糖またはブドウ糖を多く含む清涼飲料水(コカコーラ、ファンタグレープ、ファンタオレンジ、HI-Cオレンジ、HI-Cアップル、、プラッシー等)を飲むようにする。
②糖分を含む缶ジュース・缶コーヒーを飲む。または砂糖15~20gを飲む。
10~15分で回復しない時は、再度同量を摂取する。
<意識がないとき>
意識障害をおこした時には、家族や周囲の協力が必要になる。
①砂糖・ブドウ糖を歯茎と唇の間に擦り込む。
※誤嚥(ごえん)のおそれがあるので、水に溶かしたものを口の中に流し込むことは避ける。
※誤嚥とは、食べ物や異物を 気管 内に飲み込んでしまうこと。
②病院に搬送してグルカゴン注射をしてもらう。
(救急処置がとれない、救急処置でも回復しない時)
※アルコールの飲み過ぎで低血糖になった時は、肝臓内のグリコーゲンが枯渇しており、グルカゴン注射が効かない。
【急性アルコール中毒の対処法】
<急性アルコール中毒>
急性アルコール中毒はアルコールハラスメント、いわゆる一気飲みを強制された場合に起こる。アルコールによって自律神経が麻痺して呼吸停止や急性心不全が起きる。救急車で搬送されて蘇生しても後遺症が残った報告がある。
<急性アルコール中毒になる危険性があるアルコール量>
ビールと主なアルコール別に、急性アルコール 中毒の危険が高くなる量
(体重70kgの場合) 個人の体質や体調にもよる。
①ビール(度数5%、350mL)……10缶
②ワイン(度数14%、1本750mL)……2本
③日本酒(度数15%、1合180mL)……7合(いわゆる一升酒は危険)
④焼酎(度数25%、1合180mL)……4合
⑤ウイスキー(度数40%※、水割りダブル45mL)……10杯(ボトル1本は危険)
※ウイスキーは銘柄によって度数に差がある
<急性アルコール中毒の対処法>
①意識がなくなった場合は直ちに救急車を呼び、絶対に一人にしないこと。
②寝てしまったら吐いたものが逆流してノドにつまり、窒息死してしまう場合もあるので、
必ず横向けに寝かし、衣類をゆるめてカラダを温めること。
③そして、できる限り水分補給するように水やお茶を飲ませること。
【シックデイとその対処法】
糖尿病患者が治療中に、発熱、下痢、嘔吐をきたしたり、歯科治療などによって、食欲不振になり、食事ができなくなるなどの体調不良の状態をシックデイ(Sick Day)という。
風邪やインフルエンザ、発熱、下痢、嘔吐、そして肺炎、腸炎、膀胱炎などの感染症、抜歯などの歯科治療時の体調不良なども含まれる。
<シックデイの注意事項>
病気というストレスがあると、さまざまなホルモンが分泌されるが、これらのホルモンはインスリンの働きを抑制するため(インスリン抵抗性)、血糖値を上昇させる。
また、食事ができなかったり、下痢や嘔吐で脱水状態になると、血糖値が上がりやすくなり、さらに高血糖が脱水を増強するという悪循環に陥る。
<シックデイ・ルール>
①温かく、安静に
②食事や水分(1日1ℓ以上)をでるだけ摂る。
③症状をこまめにチェックする。(血糖値自己測定は3~4時間毎に行う)
④早めに主治医と連絡を取るようにする。
<シックデイのときのお薦めメニュー>
<食欲がある場合>
・・・うどんなどの温かい麺類、シチュー、おじや、果物、
<食欲がない場合>
・・・おかゆと梅干し、アイスクリーム、ゼリー
<脱水予防に>
・・・たっぷりの水、野菜スープ、味噌汁、ジュース、スポーツドリンク
<家庭での自己管理>
①血糖値自己測定 ②体重測定 ③血圧測定 ④検温 ⑤食事量のチェック
<医療機関の受診が必要な場合>
①高熱が続く ②消化器症状が強い ③高血糖値(300)が続く ④食事摂取が困難 ⑤薬の量で迷う
【入院1週目の目標】
①自分の標準体重を知っている。
・・・64kg~65kg
②なぜ血糖が上がっていたかを理解できる。
・・・偏食と運動不足でメタボ(生活習慣病)・・・パピコ、マイルド・カフェオレなどの乳製品と塩分の摂り過ぎ
③薬の名前を知っている。
・・・グラクティブ(血糖値降下) メトグルコ(血糖値降下) グリミクロン(血糖値降下)
④血糖コントロールの目標値がわかる。
・・・(空腹時)80~120 (食後2時間)100~180
⑤指示カロリーがいえる。
・・・1800cal 塩分6g
⑥HbA1cの意義を知っている。
・・・過去数ヶ月の血糖値の平均を反映している。 6.9%未満が目標
⑦食品の表分けができる。
・・・食品交換表を購入して研究
【入院2週目の目標】
①合併症について理解できる。
・・・三大合併症 神経障害(し)、網膜症(め)、腎症(じ) (細い血管に起こる合併症)
脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症 (太い血管に起こる合併症)
②低血糖の症状がいえる。
・・・血糖値が60mg/dl以下で、頻脈、動悸、冷や汗、顔面蒼白、手足の震え、ふらつき、空腹感、眠気(生あくび)、集中力・思考力の低下
③低血糖時の対応を知っている。
・・・ブドウ糖、ステックシュガー、コーラ、ジュース、あとでクラッカー、ビスケット、おにぎりなどを食す。
糖尿病IDカードも携帯
④自己血糖測定ができる。
・・・血糖値の自己測定器セット(テルモ メディセーフ ミニセット)を購入予定
⑤血圧、血中脂質のコントロールの必要性がわかる。
⑥足の手入れ方法を知っている。
⑦シックデイ時の対応を知っている。
⑧自己の食生活の問題点がわかる。
⑨外食の食べ方がわかる。
⑩退院後の行動療法が計画できる。
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