プロフィールの女神について・・・
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この女神はインドネシアのバリ島のタマンアユン寺院Pura Taman Ayunで出会って一目惚れした女神です。
華麗でパワフルでそれでいて慈悲的な魅力がありますね。
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僕はもうバッハにもモーツアルトにも倦き果てた。
あの幸福な、お調子者のヂャズにもすっかり倦き果てた。
僕は雨上がりの曇った空の下の鉄橋のように生きてゐる。
僕に押し寄せてゐるものは、いつでもそれは寂漠だ。
僕はその寂漠の中にすっかり沈静してゐるわけでもない。
僕は何かを求めてゐる、絶えず何かを求めてゐる。
恐ろしく不動の形の中にだが、また恐ろしく憔れてゐる。
そのためにははや、食慾も性慾もあってなきが如くでさへある。
しかし、それが何かは分からない。つひぞ分かったためしはない。
それが二つあるとは思へない。ただ一つであるとは思ふ。
しかし、それが何かは分からない、つひぞ分かったためしはない。
それに行き着く一か八かの方途さへ、悉皆分かったためしはない。
時に自分を揶揄ふやうに、僕は自分に訊いてみるのだ。
それはおんなか? 甘いものか? それは栄誉か?
すると、心は叫ぶのだ、あれでもない、これでもない、あれでもないこれでもない!
それでは空の歌、朝、高空に、鳴り響く空の歌とでもいふのであらうか?
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ゆふがた、空の下で、身一点に感じられれば、万事に於いて文句はないのだ。
★中原中也 「いのちの声」より
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この女神の物語のまえに・・・・
【ヤスコヴィッチ物語】
それは、ある日突然やってきた。 不条理にも突然やってきた。
17歳の頃、自己の立つ世界の土台が、
自己存在の地盤そのものが突然裂け、液状化し出した。
存在の裂け目から見えたものは・・・・ブラックホールのような暗闇だけだった。
そして、
キルケゴールから「さまよいの旅」がはじまった。
暗闇・・・暗闇・・・暗闇がつづいた・・・・
大学にいっても暗闇がつづいた・・・・
哲学や小説や心理学や宗教の本も読みまくった。・・・それでも暗闇がつづいた・・・・
議論もした。デモにもいった。山にもいった。海にもいった。・・・それでも暗闇がつづいた・・・・
アルバイトも片っ端から何でもやった・・・それでも暗闇がつづいた・・・・
酒や女や薬にも耽った・・・・それでも暗闇がつづいた・・・・
それでも・・・それでも・・・それでも暗闇がつづいた・・・・
それでも・・・それでも・・・それでも暗闇がつづいた・・・・
存在の裂け目の暗闇の漆黒の海に引きずりこまれそうになった。
そんなとき・・・
そんなとき・・・夢をみた。
漆黒の海から・・・・
漆黒の海から・・・・
漆黒の海の底から仄かな光が射してきた。
つづく