国立人類学博物館(6) 太陽の石 「アステカ・カレンダー」
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メキシコ2010年4月25日(日)
<国立人類学博物館>
①マヤ文明 ②オルメカ文明 ③トルテカ文明 ④アステカ文明
◆ メキシコ国立人類学博物館
このメキシコ国立人類学博物館は、メキシコシティの西に位置する巨大なチャプルテペック公園の中にある世界でも有数の規模と内容を誇るラテンアメリカ地域最大の博物館。
このメキシコ国立人類学博物館の最大のみどころがアステカの展示コーナーで、その中心が巨大な石に彫り込まれたアステカの歴をデザインした太陽の石「アステカ・カレンダー」だ。

◆◇◆太陽の石 「アステカ・カレンダー」
直径が3.6m、重さ24トン、メキシコシティのテノチティトランの敷地で1790年に発見され博物館に収められた。
「太陽の石」あるいは「アステカの暦」と呼ばれているが、それは中央のトナティウつまり太陽像の回りに、アステカの暦と宇宙論の関連を示す絵文字・記号が配置されている所以である。
アステカ人によると、宇宙は今までに4つのサイクルを経てきた、つまり4つの太陽の世界が次々に生まれてそれぞれ滅んできたという。
現代はこの5番目の太陽の世界に当たるとされている。この石の中央の太陽がそれにあたり(舌を出している。)、過去の4つの太陽はその斜めの上下に記されています(4つの四角。)そして、それを取り巻いて、各種の暦表記が表現されている。
過去の4つの太陽はそれぞれはナウイ・オセトル(四のジャガー)、ナウイ・エエカトル(四の風)、ナウイ・キアウィトル(四の雨)、ナウイ・アトル(四の水)。
それぞれの太陽を司っていた神と人間は、太陽とともに滅びたり、別の生き物に変えられたりしたという。
第一の太陽の世界では、神の創った巨人が住み、農耕は知らず、洞窟に住んで野生の果物や木の根を食べて暮らしていたが、ジャガーに食われて滅んだ。
第二の太陽の世界では、人間は嵐のために滅んだが、神は風に吹き飛ばされないように人間を四足の猿に変えた。
第三の太陽の世界では、すべてのものは火山の溶岩のため滅んだ。神は人間を鳥に変えて難を避けさせた。
第四の太陽の世界では、すべてのものが大洪水で滅んだ。神は人間を魚に変えて命を助けた。 この洪水伝説は、聖書の中の「ノアの箱舟」と似ていると思われる。
また、一番上の四角で囲まれた絵文字は「13の葦」の日付を表しており、この太陽の石が完成して奉納された西暦1479を表している。
まさしく、太陽の民族アステカの宇宙観と世界観を集約したこの石は、まさにアステカ文化のシンボルである。 引用文献 「世界の博物館ー5」 講談社刊
◆太陽の石 「アステカ・カレンダー」
歴は、さらに細かいモチーフの組み合わせにより、20日を1ヶ月とする1年18ヶ月に分けられ、それにプラス「空の5日間」があり、ちょうど1年365日となる。これと並行して260日を1サイクルとする占星術のための歴も存在した。
アステカ人たちは、このカレンダーをもとに、正確な農耕歴に従って労働し、その節目ごとに血の生贄をともなう祭事を行っていたという。


▼歴石の円形の部分が全宇宙の中心的存在トナティウ、または現在の第5の太陽ナウイ・オジンを表しており、その右上が第1の太陽であるジャガーの太陽、左上が第2の太陽である風の太陽、左下が第3の太陽である火の雨の太陽、右下が第4の太陽である水の太陽となっている。


◆また、グラハム・ハンコックの「神々の指紋」によると、
あご髭のある神人ケツァルコアトル(アステカの主神「羽毛の蛇」、マヤではククルカン)は、太古の昔に海からメキシコにやってきたと信じられており、また、マヤが人類最後の日を計算するのに使用した高度な数学とカレンダーを作る公式を発明したと言われている。

◆そのマヤの歴の謎の碑文を西暦に直すと、
現在の「第五の太陽」が終わるのは、2012年の冬至の日だという。これが2012年「人類滅亡説」の源となっているらしい。あと2年経つと真偽が明らかになるというわけだ。
◆◇◆マヤについて研究するカール・コールマン博士が独自の計算法でマヤ暦を計算し直した結果、マヤ暦は2011年10月28日に終わっていた…ということが、2011年2月15日に発表された。
博士によると、何万年とかけて進化してきた生物、地球、宇宙の歴史は、ある一定の周期で起こっており、その周期は繰り返すごとに短い周期で起こっていて、その進化の最終章である第9サイクルに、2011年3月9日に入ったのだそうだ。
この説を題材にした以下の映画がある。まずは、話のネタにこれらの映画を見てみますかね。
ニック・エヴァーハート監督『2012 Doomsday』 - 2008年公開(アメリカ)
ローランド・エメリッヒ監督『2012』 -2009年公開
マイケル・ベイ監督『2012 The War for Souls』 - 2010年公開予定
デンゼル・ワシントン主演『ザ・ウォーカー』 - 2010年公開(アメリカ)




◆コアトリクエの像
大地の女神であり、死の神である。そして、他の神々を生んだ母なる神でもある。
腹部にある切り落とされた首から、2匹の蛇となって血が流れ落ちている。
「死と再生」の神でもあるのかな・・・

さらば、アステカ人よ、また会う日まで・・・













