フレスコ画で有名な小さな世界遺産 ボヤナ教会
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2010年9月4日(土)
①リラの修道院 ②ボヤナ教会
この日は、現地ガイドのステラさんとソフィアの南約65kmのリラ山脈の奥深くにある世界文化遺産のリラの修道院へ向かった。
リラの修道院はブルガリア正教の総本山ともいうべき修道院である。
リラの修道院の見学のあと、修道院近くのレストランで蒸留酒ラキヤを飲みながら名物のアユ料理のランチ。
ランチのあと、小雨降るなかリラの山奥からソフィアへ約3時間かけて戻る。
ソフィア中心部から南西へ8kmのボヤナ僧院に到着。
ヴィトシャ山の麓に建つ、フレスコ画で有名な世界遺産ボヤナ教会の見学をする。
▼寺の門のような木戸の小さな門
▼緑多き、山の小道をぽれぽれと歩いていく・・・
▼京都の古刹を散策するような感じの静けさと木々の緑
◆ボヤナ教会
ボヤナ教会は、ブルガリアの首都ソフィア郊外のボヤナ地区に建っているブルガリア正教会の教会堂である。2階建ての教会の東翼は、元々10世紀後半ないし11世紀初頭に建てられたものであり、その後、第2次ブルガリア帝国の下で13世紀に中央棟が加えられた。西翼がさらに拡張され、現存する形が完成したのは19世紀半ばのことであった。それぞれの時代の姿をとどめつつ美しい調和を保っているこの教会は、1979年にユネスコの世界遺産に登録された。
1977年からは保全と修復を理由に一般の立ち入りが禁止されたが、この禁止措置は2000年に解除され、2000年から再び一般に公開されるようになった。
▼ボヤナ教会正面(第3聖堂)と小さな入口
▼この第3聖堂が一番新しい聖堂
▼ボヤナ教会は、3つの聖堂から、構成される。
第1聖堂は1048年、第2聖堂は1259年、第3聖堂は1845年に建設された。
▼第3聖堂 ▼第2聖堂 ▼第1聖堂
▼左から第3、第2、第1聖堂
▼第2聖堂(左)と新しい第3聖堂(右)
▼一番古い第1聖堂
◆ボヤナ教会のフレスコ画
ボヤナ教会では、品のよい落ち着いた感じの女性が内部のフレスコ画を丁寧に説明してくれた。
尚、ボヤナ教会内部の写真撮影は禁止である。第2聖堂に描かれた1259年製作のフレスコ画は、中世の絵画の中で最も重要な部類に入り、ユネスコの世界遺産に登録されている。
以下の写真と説明は、見学帰りに受付で購入したボヤナ教会のパンフレットより拝借した。
作者はボジタル・ディミトロフさん、写真はトドル・ディミトロフさんとある。
▼教会の中央の西壁の全景
▼教会の前面から北東への全景
▼1259年の創立者の碑文、教会の中部(第二部)の北壁
▼キリストの変容、東壁にある1259年の壁画
▼全能のキリスト、教会の前面のドーム(第一部)、1259年の壁画
▼最後の晩餐、教会の前面の北壁(教会第一部)、1259年の壁画
▼王座に聖母マリアとキリスト、祭壇上の東壁、1259年の壁画
▼教会のパトロン聖ニコラ
聖ニコラは教会のパトロンの一人であり、船員や商人らを守る大変人気のある聖人であり、聖ニコラの人生物語の18の場面が壁画として描写されている。
▼聖母マリアとキリスト、聖アナ、聖ヨアキムと恩恵の手、教会の中部の東壁のリュネット(教会の第二部)
▼法律学者とキリスト、教会の中部の南壁(教会の第二部)、1259年の壁画
▼聖母マリアの昇天、教会の前面の西壁(教会の第一部)、1259年の壁画
▼聖エフレン・シリン、教会の中部の北壁(教会の第二部)、1259年の壁画
隠修士である聖エフレム・シリンの像もあり、その聖人の「何でも見える目」には彼の心の豊かさ、奥深さが見える。
▼コンスタンチン・アセン・テイフ国王とイリナ夫妻、教会の中部の南壁(教会の第二部)、1259年の壁画
▼教会の創設者の伯爵カロヤンとデシスラヴァ夫妻、教会の中部の北壁(教会の第二部)1259年の壁画
カロヤン長官は手に教会の模型を持ち、それを聖ニコラに奉げる場面。デシスラヴァ夫人の表情に富む洗練された描写も見事です。この壁画はパンフレットの表紙になっている。
▼キリスト昇天祭、教会の前面の東壁(教会の第一部)、1259年の壁画
▼聖母マリア、礼拝堂の二階、13世紀の壁画
ボヤナ教会公式サイト