【宇佐神宮】 その1 参道、社叢、西大門、上宮
|
宇佐神宮(うさじんぐう)は、大分県宇佐市にある神社。
大分県北部、国東半島付け根に立つ御許山(標高647m)山麓に鎮座する。
全国に約44,000社ある八幡宮の総本社である。石清水八幡宮・筥崎宮(または鶴岡八幡宮)とともに日本三大八幡宮の一つ。通称として宇佐八幡・宇佐八幡宮とも呼ばれる。
本殿は小高い丘陵の小椋山(亀山)山頂に鎮座する上宮とその山麓に鎮座する下宮とがあり、その周りに社殿が広がっている。
参拝は一般と異なり、二拝四拍手一拝を作法としている。

【主祭神】
一之御殿:八幡大神 (はちまんおおかみ) - 誉田別尊(応神天皇)とする
二之御殿:比売大神 (ひめのおおかみ) - 宗像三女神(多岐津姫命・市杵島姫命・多紀理姫命)とする
三之御殿:神功皇后 (じんぐうこうごう) - 息長足姫命
【宇佐神宮の創建】
御祭神である八幡大神は応神天皇のご神霊で、571年(欽明天皇の時代)に初めて宇佐の地に ご示顕になったといわれる。725年(神亀2年)、現在の地に御殿が造立され、八幡神をお祀りした。
これが宇佐神宮の創建である。
◆一之鳥居
これから神橋、正参道へ・・・


◆神武天皇聖蹟 莵狭(うさ)顕彰石碑

◆神橋
寄藻川に架かる神橋。ここを通って正参道へ・・・

▼神橋と寄藻川


◆狛犬
▼口を閉じた「吽像」で狛犬 (向かって左側)

▼口を開いた「阿像」で獅子 (向かって右側)

▼神橋と狛犬

◆正参道の大鳥居
宇佐鳥居と呼ばれる独特の形式。朱塗りで上の笠木に檜皮葺の屋根があり、柱の上に黒い台輪があり、根本には腰袴がある。

▼参道の真ん中は神様の通る所。

◆◆黒男神社(くろお・じんじゃ)
御祭神は武内宿禰命(たけうちのすくねのみこと)
武内宿禰は、景行天皇、成務天皇、仲哀天皇、応神天皇、仁徳天皇と、 五代の天皇に二百四十余年もの間大臣として仕えたと伝えられる。 数多くの功労があり、忠誠を尽くされたことをもってお祀りされている。
八幡大神にご奉仕された神であり、古くから大鳥居の外に鎮座になって大神をお護りされている。
長寿、忠誠、奉仕などの高いご神徳を授けられる。



◆宝物館
宇佐神宮は、昭和60年(1985)10月6日、第253回の 勅使奉幣大祭を斎行するにあたり、その記念事業として 宝物館参集殿が建設された。
宇佐神宮関係の国宝、国指定文化財、県指定文化財等数百点の文化財を収蔵、展示公開している。


◆初沢の池と「古代蓮」
日本三沢の池(奈良・猿沢池、京都・広沢池、宇佐・初沢池)に数えられる宝物館前の『初沢の池』には古代蓮が咲く。最も美しく咲くのは7月から8月。この古代蓮は、千葉県で2000年前の地層から出土した実から復活させ1973年に移植したもの。現在では約1万株まで増えたという。
▼初沢の池①

▼初沢の池①

▼古代蓮①

▼古代蓮②

▼古代蓮③

◆手水舎(てみずしゃ)と手水の作法
※手水舎は宇佐神宮では「てみずや」ではなくて、「てみずしゃ」と読むらしい。
伊勢神宮でも「てみずしゃ」と読む。
【手水の作法】
①左手、右手の順に清めます。
②左手に水を受け、口をすすぎます。※直接柄杓(ひしゃく)に口をつけないようにしましょう。
③もう一度左手を清めた後、柄杓(ひしゃく)を縦に持ち、残った水で柄を洗い流します。

◆茅の輪くぐり



◆正参道

▼「皇族下乗」の看板
「皇族下乗」とは「たとえ皇族でもここからは乗り物から降りなさい。(足で歩きなさい。)」という意味らしい。

◆春宮神社(とうぐうじんじゃ)
正参道を真っ直ぐ進むと、皇族下乗の石段がある。この石段をあがって右手に春宮神社。
春宮神社は菟道稚郎子<ウジノワキノイラツコ>を祀る神社。
菟道稚郎子は応神天皇の子で、兄の仁徳天皇に皇位を譲るために死をもって節を全うしたと伝わる悲劇の皇子。
菟道稚郎子は渡来人の王仁や阿直岐に典籍を学び、父・応神天皇にその才能を認められて皇太子に立てられが、応神天皇の没後、異母兄の大鷦鷯尊(後の仁徳天皇)に即位をせまったが、 大鷦鷯尊も先帝の意志を重んじて固辞した。そこで菟道稚郎子は菟道宮に退くこと三年。なお大鷦鷯尊が即位しないため、 これ以上天下を煩わせてはならないと自尽して崩じた。
大鷦鷯尊は痛哭哀悼、自ら赴いて菟道の山上に奉葬し菟道稚郎子の霊を祀った。その後即位して仁徳天皇となったという。




◆祓所(はらいど)
大祓式などの祓いの儀を行う祓所。正参道の突き当たりの広場の右奥にある。





◆上宮に到る階段と八幡鳥居



◆上宮への階段と社叢(しゃそう)の森
手水舎前の参道から上宮へ向かう階段付近に群生する木々は、イチイガシ(一位樫)と楠を主体とした自然のままの常緑広葉樹林の『社叢(しゃそう)の森』で、国の天然記念物に指定されている。
表参道もイチイガシ(一位樫)の並木となっている。







◆◆若宮神社
応神天皇の若宮であられる大鷦鷯命(おおささぎのみこと):仁徳天皇と他の皇子の葉枝皇子(おおばえのみこ)、小葉枝皇子(こばえのみこ)、隼別皇子(はやぶさわけのみこ)、雌鳥皇女(めとりのみこ)をお祀りしているので若宮神社といわれる。
天長元年(824)同7年、ご神託があって、仁壽2年(852)に造営使を派遣して造営創祀された。
ここで、亀の甲を焼き吉凶を占っていたとい う。 除災難・厄難の神様として有名。

◆宇佐鳥居
西大門前の宇佐鳥居。宇佐古来の形式をもつ木製の鳥居で、額束がなく柱上に黒い台輪を置いていて、根本には腰袴がある。神宮内のすべての鳥居の規格である「宇佐形式」となっている。

◆◆西大門
西大門は、文禄のころ(1592~)改築されたといわれ、安土桃山時代の様式を残す華麗な神門。
屋根は切妻及び向唐破風造りで桧皮葺、内部はとくに極彩色が多用されている。
国宝の本殿、勅使門などと共に宇佐神宮の景観を象徴する建物。






◆◇◆宇佐神宮・上宮
西大門をくぐると宇佐神宮・上宮の境内に入る。南中楼門(勅使門)、国宝の本殿がある。本殿には一之御殿、二之御殿、三之御殿がある。
一之御殿には八幡大神 (はちまんおおかみ) - 誉田別尊(応神天皇)、
二之御殿には比売大神 (ひめのおおかみ) - 宗像三女神(多岐津姫命・市杵島姫命・多紀理姫命)、
三之御殿には神功皇后 (じんぐうこうごう) - 息長足姫命が、祭神として祀られている。
一之御殿が神亀2年(725)、二之御殿が天平5年(733)、三之御殿が弘仁14年(823) にそれぞれ創建された。現在の本殿は1855年から1861年に造営されたもので、昭和38、39年に大修復がなされている。
本殿は改修中で、2015年に天皇陛下のお使いを迎える勅使祭に向けた記念事業の一環という。本殿の改修は1985年以来、27年ぶりらしい。
通常も西門や勅使門から内部の本殿には入れないという。勅使門の拝殿からは本殿の一部しか見えない造りとなっていて、内部を覗くと国宝となっている八幡造りの宇佐神宮本殿の姿の一部が見えるだけらしい。

◆西中門
檜皮葺の西回廊と西中門


▼八子神社(やこじんじゃ)
西回廊角に鎮座する境内社の八子神社(八王子神)。
社殿の構えはなく、西回廊の玉垣内のご神木・楠の木に鎮座。

◆境内







▼神井

◆◆南中楼門(勅使門)
神宮内郭の南正門で、拝殿となっている。勅使門で通常は開かずの門。入母屋造桧皮葺楼門、正面5.34m、側面3.17m、背は10.6m。高良大明神、阿蘇大明神の二神を御門の神としてお祀りしている。
国宝の本殿は修復中で姿がみえなかった。






◆祈祷殿


◆大元神社遥拝所


▼上宮の参拝が終わる。
上宮だけの参拝では、片参りになってしまうので、これから下宮へ向かう・・・・













