【與止日女神社】 肥前国一宮、欽明天皇二十五年創建の古社
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2016年4月20日(水)参拝
この日(4月20日)は
佐賀の佐嘉神社、松原神社、本庄神社、与賀神社、與止日女神社を参拝。
▼與止日女神社の位置
◆鯉のぼりが泳ぐ川上峡の嘉瀬川
赤い官人橋(川上橋)と川上峡の嘉瀬川と鯉のぼり
川上川(嘉瀬川)の上流約10km、佐賀大和インターチェンジ近くにある川上峡は、九州の嵐山と言われる渓谷美で知られる場所で、 一帯は川上金立県立自然公園に指定されている。
川上峡を流れる嘉瀬川(かせがわ)には赤い官人橋(川上橋)が架かっており、橋の袂に與止日女神社(よどひめじんじゃ)が鎮座している。
嘉瀬川傍にある與止止日女神社(よどひめじんじゃ)は、「河上神社」とも呼ばれ、一般には「淀姫さん」と呼ばれているようだ。 名前の通り與止日女(よどひめ)様を祀る神社。與止日女(よどひめ)様は別名を豊玉姫(とよたまひめ)とも世田姫(よたひめ)とも言い、神功皇后の妹とも伝えられている。
◆與止日女神社 與止日女神社公式サイト
【祭神】
與止日女命 (よどひめのみこと) 神功皇后の妹という。また一説に、豊玉姫であるとも伝える。『肥前国風土記』逸文(神名帳頭注)には、「與止姫神」のまたの名を「豊姫」「淀姫」というとある。また、同書佐嘉郡条には「世田姫」の説話が載り、同一神と見られている。
佐賀県を中心とする北九州地方には、與止日女神(淀姫神)を祀る神社が多数あり、そのうち当社を含めた6社が嘉瀬川流域にある。
【創建】
『肥前国風土記』逸文(神名帳頭注)によれば、欽明天皇25年(564年?)11月1日に與止姫の神が鎮座したという。
同書に収録された川にまつわる説話から、水神信仰として成立したものと見られている。
【概史】
延長5年(927年)の『延喜式』神名帳では肥前国佐嘉郡に「與止日女神社」と記載され、式内社に列した。弘長元年(1260年)に最高位の正一位の神階を授けられた。
平安時代には、肥前国では田島坐神社(現 田島神社)が安全航海の神として崇敬され、神階も当社より上で『神名帳』では肥前国唯一の大社に列していた。しかしながら遣唐使の廃止もあってその地位は低下し、代わって中世以降は国衙に近い当社の地位が高まり、肥前国一宮として崇敬されたという。ただし、後述のように千栗八幡宮も一宮を称している。
弘安の役(1281年)では與止日女大神の神霊が敵の船を摧いたと伝えられる。
慶長7年(1602年)に後陽成天皇が「大日本国鎮西肥前州大一之鎮守宗廟河上山正一位淀姫大明神一宮」と書いた勅額を下した。すなわち当社が肥前国一宮であるとするものであるが、千栗八幡宮も肥前国一宮とされていたことから、両社の間で60年にわたる紛争が起こった。
◆與止日女神社・鳥居と参道
▼初代藩主鍋島勝茂公が奉納した肥前鳥居
◆金精石
【河上神社金精さん由来記】
自然石又はこれに人工を施した男根、女陰の 形をしたもので男性、女性の象徴を神として祭 ったのが古い昔から日本の特に僻地山村に多 く見られるようである。金精さまは本来性の 神で、それが生産神となり所によっては邪悪 の神を塞ぐ塞神としても祭られた。形からみて 初め、庶民の縁結びの神、性病平癒祈願の神、 子宝の神として信仰があった。
その昔神功皇后三韓征駐の折り当地におとど まりあされし妹君の与止日女様が子宝に恵まれぬためにひそかに館の一隅にあった男根の 自然石に肌をふれて子宝を願ったところ、色 あくまで白く、きめこまやかにして玉の如き 子供が授かったという。以来金精さんとして 河上神社の一隅に安置してありましたが今度 皆様の要望により一般に公開致します。
▼六角形の手水舎
◆拝殿前の左右三対六体の狛犬
▼昭和12年9月制作の小顔で愛嬌の有る肥前尾太狛犬
▼修復されて新しく設置された白い狛犬。
▼遠吠え耳垂れ尾付狛犬
◆◆與止日女神社・拝殿
◆拝殿内部
▼『火國鎮守』の額
◆與止日女神社・本殿
◆◆與止日女神社のパワースポットの大楠
境内の入口、鳥居のすぐ近くにある樹齢約1450年の『大楠』
さが名木100選に選ばれている御神木。
大きさは樹高20m、幹回り7、2m、枝張り22m。
◆夫婦杉
◆◆本殿の左側にある大楠の枯木
その昔、あまりに繁っていて、嘉瀬川の対岸まで枝を伸ばし、威風堂々と栄えていたと言われている。
大楠の大きさは、高さ30m余、幹の周りは27m程の大木であった。昔から御神木として人々は、この大楠を拝んでいたという。
1813年(江戸時代、文化10年、仁孝天皇)、落雷により火災。今に及んでいる。
【大楠の由来】
日本武尊、巡り幸しし時、楠の茂り栄えたるを覧まして、勅りたまえし、「この国は、栄の国と謂ふべし」とのりたまいき、因りて栄えの郡といひき。後に改めて「佐嘉」と号く。
新・肥前風土記より
◆與止日女神社・西門
◆與止日女神社の藤棚
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