【宇宙の神秘】 暗黒物質 「ダークマター」の発見と研究
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1930年代、何とも奇妙な天文現象がみつかった。本来なら銀河団の外に飛び出していくような激しい運動をしている銀河が、まるで何かにひきとめられているかのように、銀河団に留まっているのだ。
しかし、引きとめているものの姿はいっこうに見あたらない。
この見えない物質は「ダークマター」とよばれるようになった。
さらに、ダークマターは、星や銀河の“種”であったとも考えられている。ダークマターを知ることは、宇宙構造の起源の解明につながるかもしれない。
◆この宇宙は“見えない何か”で満ちている
80年以上も前から、天文学者たちは宇宙で観測される奇妙な現象に悩まされつづけてきた。宇宙のさまざまな天体が、明らかに、何かから力を受けているかのようにふるまっている。しかし、どんな性能のよい望遠鏡をのぞいてみても、その何かが見えないのだ。

▲地球の周囲の、髪の毛のようなフィラメント状のダークマターの想像図。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech)
見えないけれど確かに存在する、このミステリアスな物質は「ダークマター」とよばれるようになった。
ダークマターとよばれているが、黒い物質、または、悪さをする物質というわけではない。ダークマターの正体はまだわかっていない。
この見えない物質は、この宇宙に“見えている物質”の約5倍もの量、存在していると考えられている。
大量に存在するのに見えない、なんとも不思議な存在であるダークマター・・・・・。
この正体を突き止めるべく、世界各地でさかんに観測・実験が行われている。
◆◆光学質量より圧倒的に重かった銀河団
見えない物質「ダークマター」の存在に、天文学者たちが気づきはじめたのは、1930年代だった。
1933年、スイスの天文学者フリッツ・ツビッキー(1898~1974)は、地球から約3.2光年はなれたところにある「かみのけ座銀河団」を観測した。かみのけ座銀河団は、3000個以上もの銀河が、直径約2000万光年ほどの領域に集まった銀河の集団である。

▲かみのけ座銀河団

▲フリッツ・ツビッキー(Fritz Zwicky 、1898– 1974)はアメリカで活躍したスイス国籍の天文学者である。ウォルター・バーデとともに超新星の研究のパイオニアである。
◆銀河の運動の速さから、銀河団の質量を求める
ツビッキーは、このかみのけ座銀河団全体の質量を測定しようとした。彼は全く異なる二つの方法で、この銀河団の質量を測ってみた。
1つは、銀河団内の銀河の運動を調べる方法である。
それぞれの銀河は、銀河団全体の質量が生み出す力(重力)によって引っ張られている。銀河の動きが速いほど、銀河を引っ張る重力は大きくなければならない。そうでなければ、銀河は運動の勢いのままに、銀河団の外に飛んで行ってしまうからだ。
ツビッキーは、それぞれの銀河の運動の速さを求めて、間接的に銀河団全体の質量を見積もった。この方法で求めた質量は「力学質量」とよばれる。
◆銀河の明るさから、銀河団の質量を求める
銀河団の質量を求めるためにツビッキーが使ったもう1つの方法は、銀河団内の銀河の明るさから、質量を求めるというものだ。
夜空を見上げると、星々にもわずかに色のちがいを認めることができる。この色のちがいは、星の表面の温度によるものである。
太陽のような主系列星では、星の明るさと質量の間にも関係があり、明るい星ほど質量が大きい。
明るいということは、それだけ多くのエネルギーを放出しているということである。質量が大きいと、内部の圧力も温度も高くなって、エネルギーを生みだす反応(核融合反応)が効率よく進むのである。この性質を利用して、明るさから質量を求めることができる。
ツビッキーは、銀河の星の明るさから、銀河の質量を推測し、さらに銀河が集まっている銀河団の質量を推測した。
こうして求めた質量は、「光度質量」とよばれる。
このように、異なる二つの方法で同じものをはかったことで、ツビッキーは意外なことに気づくことになる。
◆◆銀河は得体の知れない何かの重力を受けている
普通に考えると、銀河の運動の速さから求めた「かみのけ座銀河団」の総質量(力学質量)と明るさから求めた総質量(光度質量)は同じ質量になるはずである。
ところが、観測の結果は驚くべきものであった。
◆星の明るさから判断された重さよりも
圧倒的に重かった「かみのけ座銀河団」
力学質量のほうが、光学質量よりも、400倍も重かったのである。
いったい、これはどういうことなのだろう。
どちらの値が正しいのだろうか。
力学質量は、それぞれの銀河を銀河団にとどめておくのに必要な重力を生み出す。
もし光度質量が正しいなら、そこからもたらされる重力は小さく、観測された速さで運動する銀河は、運動の勢いのままに銀河団の外に飛んでいっているはずである。
ツビッキーは、力学質量の方を信じた。つまり、「かみのけ座銀河団」は、“見た目(星の明るさ)”よりも多くの質量をもっているということになる。
ツビッキーは、「かみのけ座銀河団には、“見えない物質”がある。銀河団の銀河は、この見えない物質の重力のおかげで、銀河団内にとどまっている」と結論づけた。
この見えない物質こそが、「ダークマター」である。
◆◆不可解な速度で回転運動をする銀河
ツビッキーが「かみのけ座銀河団」を観測してから40年ほどたった1970年代、今度はアメリカの天文学者ヴェラ・ルービン(1928~)が、地球から約250万光年離れたところにある銀河「アンドロメダ銀河」を観測して、奇妙な現象を発見した。

▲アンドロメダ銀河
アンドロメダ銀河(Andromeda Galaxy、M31、NGC 224)は、アンドロメダ座に位置する目視可能な渦巻銀河である。さんかく座銀河 (M33) 、銀河系(天の川銀河)、大マゼラン雲、小マゼラン雲などとともに局部銀河群を構成する。

▲ヴェラ・ルービン
ヴェラ・ルービン(Vera (Cooper) Rubin, 1928年7月23日 - )はアメリカ合衆国の天文学者。ダークマター(dark matter)を提唱した。
フィラデルフィア生まれ。幼いころから天文学に興味があり、高校生のときには天体望遠鏡を自作。1948年にヴァッサー大学卒業後、プリンストン大学で学ぶことを希望していたが女性であったために入れず、コーネル大学でフィリップ・モリソンやリチャード・P・ファインマン、ハンス・ベーテの下で物理学を学んだ。1954年にはジョージタウン大学においてジョージ・ガモフの下で学んだ。銀河内の星やガスの内側の速度と外側の速度がほとんど変わらないことを発見して、 「ダークマター」の存在を提唱した。
◆アンドドロメダ銀河の回転速度の観測
アンドロメダ銀河はわれわれの「天の川銀河」とおなじように、円盤のような形をした銀河であり、銀河の星々や星間ガスは回転している。
ルービンは、アンドロメダ銀河のガスが回転する速度を測った。
ガスの運動する速度は、「ドップラー効果」を利用して測ることができる。
「ドップラー効果」とは、光源が観測者に対して近づいたり、遠ざかったりするときに、光源の出す光の波長が変化する現象である。光源が近づいてくるときは、光源から届く光の波長は短くなり、光源が遠ざかっていくときは、光の波長は長くなる。
光の波長が短いほど青くなり(青色偏移)、波長が長いほど赤くなる。(赤色偏移)
ルービンはこのとき、1ヶ所でなく、銀河の中心からさまざまな距離にあるガスの回転速度を調べた。
これが、のちに、大きな発見をもたらすことになる。
◆常識は、中心に近いものほど早く回転するはず・・・
ルービンは、銀河の中心に近いところを回転するガスと、遠いところを回転するガスの回転速度を比べてみた。そして不思議なことがおきていることに気がついた。
太陽系を考えると、惑星にかかる重力の大きさは、重力源である太陽からの距離が近いほど大きくなる。
一方、遠心力は、惑星が太陽の周囲をまわる億度が速いほど大きくなる。
太陽の近い惑星ほど、重力につりあう遠心力を生みだすために速くまわる。
このため、太陽から近い惑星ほど、回転速度は速くなっている。
因みに、太陽にもっとも近い水星の公転速度は約47.36km/sで、地球の公転速度は約29.78km/s、土星の公転速度は約9.65km/sである。
◆銀河の不可解な回転は、「ダークマター」がないと説明できない。
ルービンの観測したアンドロメダ銀河でも、最も多くの質量が集まってみえるところはは中心部分である。
このため、この銀河も、円盤の中心に近いところほど速く回転しているのだろうと考えられていた。
ところが、アンドロメダ銀河内のガスの回転速度を比べてみると、中心からの距離によってその値が変わることがほぼなかったのである。
ルービンは、その後、ほかの銀河についても調べてみたが、結果はかわらなかった。
この不可思議な現象について、ルービンはこのように考えた。
「私たちには見えない物質が、銀河全体に広がってガスに重力を及ぼしているため、中心から遠くにあるガスも、中心に近いガスと同じくらいの速度で回転するのではないか。」
こうして、見えない暗黒物質「ダークマター」は、研究者たちに注目されるようになっていった。

▲ルービン博士が見つけた「銀河の回転問題」。中心に近い星と、周辺の星が、ほぼ同じ速さで回っているという事実が、観測できない「暗黒物質ダークマター」の存在を考えるきっかけになった。
◆◆暗黒物質ダークマターの研究
暗黒物質の存在の「間接的な発見」は、1970年代にヴェラ・ルービンによる銀河の回転速度の観測から指摘された。水素原子の出す21cm輝線で銀河外縁を観測したところ、ドップラー効果により星間ガスの回転速度を見積もることができた。この結果と遠心力・重力の釣り合いの式を用いて質量を計算できる、と考え、すると光学的に観測できる物質の約10倍もの物質が存在するという結果が出た。この銀河の輝度分布と力学的質量分布の不一致は銀河の回転曲線問題と呼ばれている。この問題を通じて存在が明らかになった、光を出さずに質量のみを持つ未知の物質が暗黒物質「ダークマター」と名付けられることとなった。
◆重力レンズ効果を利用して明らかにされたダークマターの空間分布
ダークマターが存在する場合、その質量により光が曲げられ、背後にある銀河などの形が歪んで見える重力レンズ効果が起こる。銀河の形の歪みから重力レンズ効果の度合いを調べ、そこからダークマターの3次元的空間分布を測定することに日米欧の国際研究チームが初めて成功したことが2007年1月に科学誌『ネイチャー』に発表された。

▲COSMOSプロジェクトによって作成されたダークマターの3Dマップ。左手前が近くの宇宙、右奥へいくほど距離が遠くなる。
立体部分は、ダークマターが多く存在しているところ。ハッブル宇宙望遠鏡やすばる望遠鏡など、さまざまな望遠鏡による観測データをもとに作成された。(STScI, Ray Villard, Richard Massey)
◆ダークマターの巨大なリング構造
2007年5月15日のアメリカ航空宇宙局の発表によれば、米ジョンズ・ホプキンズ大学の研究チームがこれを利用して、ハッブル宇宙望遠鏡で暗黒物質ダークマターの巨大なリング構造を確認したという。同研究チームは、10億~20億年前に2つの銀河団が衝突した痕跡で直径が約260万光年(銀河系の26倍)、衝突によりいったん中心部に集まった暗黒物質ダークマターが その後徐々に環状に広がっていったもの、とした。

▲初期宇宙の銀河団の観測で見つかった、暗黒物質の巨大なリング構造。(NASA, ESA, the GOODS Team and M. Giavalisco (STScI))
◆宇宙最大の謎「ダークマター」の証拠捉えた?ISSに設置したアルファ磁気分光器
2013年4月3日、欧州合同原子核研究機関において、サミュエル・ティン(マサチューセッツ工科大学教授)らの研究グループが「暗黒物質ダークマターが実際に存在する可能性を示す痕跡を発見した」と発表した。国際宇宙ステーション(ISS)に取り付けたアルファ磁気分光器を使い、陽電子を観測した。暗黒物質ダークマターがニュートラリーノであると仮定すると、互いに衝突して消滅する際に陽電子が飛び出すと考えられている。星や銀河の成り立ちの謎を解き明かす一歩となる成果だ。

AMSが狙ったのは、銀河系の中心部に大量にあると考えられている未発見の素粒子同士が、衝突したときに出す可能性がある「陽電子」。電子と反対の電荷を持つ陽電子が、電子と比べて過剰に飛来していれば、暗黒物質が出した信号と考えられ、直接の証拠といえるという。
AMSの運用は、15カ国のCERNやNASAなど54機関が参加する国際研究チームが行っており、今回の成果の詳細は米国物理学会誌「Physical Review Letters」に掲載される。 AMSは2011年にISSに設置された、宇宙線陽電子や反陽子をプローブとした暗黒物質の間接探索や反物質の直接探索などの実験に用いられる装置。
◆宇宙に占めるダークマターの割合の推定
1986年に宇宙の大規模構造が発見された。このような構造を形成するための宇宙の物質の総量が見積もられたが、予想よりも質量が少ないため構造の成長には、ハッブル則から導かれる宇宙の年齢(ハッブル時間):100億 - 200億年 よりも、さらに長い時間を要すると計算された(missing mass problem)。この少なすぎる質量を補うものとして、それまでにいくつかの研究で提案されていた暗黒物質(dark matter ダークマター )の存在が仮定された。この仮定は、いくつかのシミュレーションによってもハッブル則の範囲内で現在のような銀河集団の泡構造が出来上がることを支持している。
その後、宇宙の加速膨張が発見され、さらにインフレーション理論の説明のためダークエネルギーの概念が導入された。ある計算では、ダークマターを含めた物質を約30%、ダークエネルギーを約70%にした場合にうまくいくことが確認されている。
2003年から、宇宙背景放射を観測するWMAP衛星の観測に基づいて、宇宙全体の物質エネルギーのうち、74%がダークエネルギー、22%が暗黒物質ダークマターで、人類が見知ることが出来る物質の大半を占めていると思われる水素やヘリウムは4%ぐらいでしかない、と説明されるようになってきている。
この観測結果は、宇宙の大規模構造のシミュレーションから予測されているダークマターの値と、ほぼ一致している。このように2つの方法から推測したダークマターの量がほぼ合うということから、この考えに妥当性がある、と考えられている。
2013年3月、欧州宇宙機関は天文衛星「プランク」の観測結果に基づいて、ダークマターは26.8%、ダークエネルギーは68.3%、原子は4.9%と発表した。

◆ダークマターの候補
ダークマターとは具体的に何で構成されるのかについては現状不明であるが、後述のように複数の候補が挙がっており、大別して素粒子論からの候補と天体物理学からの候補に分けることができる。また、熱いダークマターと冷たいダークマターの2種類に分けることもある。
素粒子論からの候補はWIMPと呼ばれ、天体物理学からの候補はMACHOと呼ばれる。また、宇宙の晴れ上がりの時に、そのダークマターの運動エネルギーが質量エネルギーを上回っていた場合は熱いダークマター、そうではないものを冷たいダークマターと呼ぶ。現状は冷たいダークマターのシナリオが有力視されているものの、その候補粒子は未だ見つかっていないという決定的な問題がある。
◆◆素粒子論からの候補
ニュートリノ以外は、存在が未確認であり、推測や予言の域を出ず、実在しない可能性を持つ候補もある。
◆ニュートリノ
熱い暗黒物質の代表例。従来ニュートリノの質量は0であると思われていたが、1996年から1998年にかけての東大宇宙線研究所による観測によって質量を持っている事が証明された。ニュートリノは宇宙全体に存在する数が非常に多い(計算では~100個/cm3)ので、質量が10eV程度あれば暗黒物質の候補になるとされていた。しかしながら、ニュートリノの寄与は臨界密度の高々1.5%程度であることが分かってきたので、現在では主要な暗黒物質であるとは考えられていない。さらに、ニュートリノが暗黒物質の主成分だとすると銀河形成論的に困ったことがおこる。銀河団以下のスケールの構造が生まれなくなってしまうのである (free streaming mixing)。これは、ニュートリノ同士の相互作用がほとんど無く互いに通り過ぎてしまい、圧力が生じないことによる。
◆ニュートラリーノ
超対称性粒子のうち、電気的に中性である粒子。超対称性粒子は現在見つかっていないことから不安定であると考えられており、宇宙の初期にほとんどが通常の素粒子と、より軽い超対称性粒子に崩壊していったと考えられている。しかし、超対称性粒子に特有のRパリティ保存則により、最も軽い超対称性粒子 (Lightest Supersymmetric Particle : LSP) は崩壊できず宇宙に残っていると考えられている。電荷を持つLSPがあるならば既に見つかっているであろうから、現在考えられている宇宙暗黒物質としてのLSPは電荷を持たないLSPである。ニュートラリーノの質量は数GeV~数百GeVの範囲で原子核との散乱断面積は10-4以下と考えられている。
◆アキシオン
冷たい暗黒物質の代表例。強い相互作用を記述する量子色力学に関連してその存在が期待されている仮説上の素粒子。非常に軽い (~10-5eV) 質量だが温度は0に近い冷たい暗黒物質であろうとされている。
◆ミラーマター
パリティ対称性を保つように標準模型を拡張したとき、その存在が予言される物質。重力の他は、光子-ミラー光子混合、ヒッグス-ミラーヒッグス混合を経由した相互作用しかしないため、もし存在したとしても、見ることも触ることも(どちらも光子を媒介とした電磁気力による相互作用である)不可能。重力レンズ効果の観測や、重力波干渉計などを用いた観測が期待される。
◆LKP
Lightest KK Particleの略。特定の高次元模型では標準模型と同じ電荷を持ち質量のみが異なるKK粒子の内最も軽いものが、余剰次元方向に対する運動量保存則により安定となる。LKPが中性だった場合暗黒物質の候補となるが、その質量は余剰次元の直接検証等から最低でも600GeV程度以上となり非常に冷たい暗黒物質となる。
◆◆天体物理学からの候補
いずれもバリオンからなる。ビッグバン仮説においては、バリオンの存在量が予言できる。その値は、臨界密度の4%程度である。ところが、実際の宇宙の物質密度は臨界密度の22%程度であると見積もられている。したがって、以下の候補を全て考慮に入れたとしても元々のバリオンの量が足りない。そのため、非バリオン暗黒物質の存在を仮定する必要があることに変わりはない。
◆ブラックホール
小規模なブラックホールは超新星爆発のときに生じる。質量が太陽の数億倍もあるような大規模なブラックホールは銀河中心で観測されているが、まだ成因はよく分かっていない。恒星規模のブラックホールが銀河系内にいくつくらい存在するのか、その質量分布がどのような物か、等も未だ明らかではないため、これは暗黒物質の候補となる。また、原子核大の極微小ブラックホールも多量に存在しているかも知れない。さらに、宇宙誕生後3分頃に生成されたブラックホールについては、上記のバリオン存在量の制限から逃れることができる。だが、ブラックホールの質量はダークマターに匹敵するものではないため、可能性は低いとされている。
◆白色矮星・中性子星
比較的小質量の恒星が燃え尽きると白色矮星・中性子星になる。こうした星が自分で出す光が小さい場合、暗黒物質の候補となりうる。
◆褐色矮星
恒星誕生の際、核融合が起こるほどのガス質量がなかった場合、明るく輝かないために観測は困難となる。近年、観測精度の向上によって褐色矮星が観測されるようになった。
◆惑星
観測できる多数の恒星がそれぞれ観測できない惑星を持っている可能性があり、これが暗黒物質の候補になる。
◆MACHO
Massive Astrophysical Compact Halo Objectの略。銀河ハロー内に存在する、小さくて光学的に観測の不可能(あるいはきわめて困難)な天体の総称。上記の白色矮星、恒星ブラックホールもその一種である。












