【宇宙の神秘】 ダークマター研究の最前線
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ダークマターの正体はいったい何なのか。これまでの研究から、ダークマターの性質が少しづつ明らかになり、現在、この性質をみごとに満たす、ダークマターの最有力候補たちがあがっている。
さらに、宇宙から降り注ぐダークマターを直接検出しようとする日本の検出装置「XMASS」や、人工的にダークマターを合成しようとするスイスの巨大加速器「LHC」など、ダークマターの正体を解明しようとする挑戦が世界中で活発に行われている。
◆ダークマターは銀河を生む“種”だった。
ダークマターの性質は、実は宇宙の構造の起源に関係していることが分かってきた。
宇宙空間には、銀河の密集したところとそうでないところ、つまり“むら”がある。
1970年代には、「宇宙誕生から今日までの間に、現在のような“むら”のある宇宙の構造ができるには、“見える物質”の質量だけでは足りないのではないか」と考えられるになっていた。
そして1985年、イギリス、サセックス大学のカルロス・フレンクたちは、「宇宙の小さな構造である星や銀河をつくる中心的な役割を果たしたのは、ダークマターである」という仮説を発表したのである。
ダークマターを星や銀河の“種”とするシナリオでは、まず、ダークマターがほかの場所より少しだけ多く集まる場所が偶然できる。すると、そこは重力が強くなるので、ダークマターが寄ってきやすくなり、ダークマターの密度がどんどん濃くなってくる。
さらに、そこに原子からなる物質(ガス)も重力で引き寄せられ、やがて収縮していく。
こうして星や銀河ができていくというわけである。
さらに多くの銀河が集まってくると銀河団を形成する。こうしてダークマターは、銀河から銀河団へと、小規模な構造からはじまって大規模な構造をつくっていく。
ただし、このシナリオを成り立たせるためには、非常に重要な条件があった。
その条件とは、ダークマターが“冷たい”物質であるということである。温度が低い空気ほど、空気中の分子の速度は遅くなる。同様に、冷たいダークマターは、速度が遅い粒子からなるということになる。
◆◆最新シミュレーション研究
ダークマターが、この宇宙の銀河をつくる“種”であったことを示すシミュレーション実験がある。
東京大学の吉田直紀教授は、この宇宙にダークマターが存在すると仮定した場合と、存在しないと仮定した場合での、宇宙の大規模構造の成長の様子をシュミレートして比較してみた。
ダークマターが存在すると仮定したシュミレーション結果では、年月を経るごとに物質の濃淡が大きく成長していき、宇宙誕生から137億年後の現在では、銀河の大規模構造によく似た物質の濃淡が現れた。
一方、ダークマターが存在しないと仮定したシミュレーション結果を見てみると、宇宙誕生から137億年たった現在でも、銀河の大規模構造らしき物質の濃淡は見られなかったという。
このようなシミュレーション結果から、もし宇宙にダークマターが存在しなければ、現在の宇宙にみられる銀河の大規模構造はなかったであろうことが示された。
▼現在東京大学教授、IPMU特任教授の吉田直紀氏の「宇宙の大規模構造」の説明
▼ダークマターと宇宙の大規模構造形成のシミュレーション
◆◆ダークマターの3次元空間分布マップ
ダークマターが銀河の“種”だったとしたら、現在も銀河があるところにダークマターは多く分布しているのだろうか。
2003年から、NASAのハッブル望遠鏡、日本のすばる望遠鏡など、さまざまな望遠鏡を使って、ダークマターの3次元的な分布を調べる
「COSMOS (Cosmic Evolution Survey)」プロジェクトがはじまった。
このプロジェクトは15ヶ国から約40名の天文学者が参加した国際的なプロジェクトだった。
銀河の形の歪みから重力レンズ効果の度合いを調べ、そこから暗黒物質ダークマターの3次元的空間分布を測定することに日米欧の国際研究チームが初めて成功したことが2007年1月に科学誌『ネイチャー』に発表された。
見えないダークマターの空間的な分布を調べるために使われたのは、「重力レンズ効果」である。
異なる距離にある50万個ほどの銀河についての重力レンズ効果を観測した結果、それぞれの銀河からの光を曲げている重力源の分布がわかった。重力源の多くはダークマターであった。つまり、重力源の分布はダークマターの分布と考えることができる。
こうして、重力レンズ効果を使って、ダークマターの3次元マップがつくられた。マップの範囲は、縦横2.7億後年、奥行き80億光年に及ぶ。
このダークマターの3次元マップを、銀河の3次元マップに重ねてみると、これらの分布はほぼ一致した。
この結果は、ダークマターが銀河の“種”だったことを裏付ける貴重な証拠になったのである。
▼COSMOSプロジェクトによって作成されたダークマターの3Dマップ。

左手前が近くの宇宙、右奥へいくほど距離が遠くなる。
立体部分は、ダークマターが多く存在しているところ。ハッブル宇宙望遠鏡やすばる望遠鏡など、さまざまな望遠鏡による観測データをもとに作成された。(STScI, Ray Villard, Richard Massey)
◆ダークマターの巨大なリング構造
2007年5月15日のアメリカ航空宇宙局の発表によれば、米ジョンズ・ホプキンズ大学の研究チームがダークマターの3Dマップを利用して、ハッブル宇宙望遠鏡でダークマターの巨大なリング構造を確認したという。同研究チームは、10億~20億年前に2つの銀河団が衝突した痕跡で直径が約260万光年(銀河系の26倍)、衝突によりいったん中心部に集まった暗黒物質ダークマターが その後徐々に環状に広がっていったもの、とした。

▲初期宇宙の銀河団の観測で見つかった、ダークマターの巨大なリング構造。(NASA, ESA, the GOODS Team and M. Giavalisco (STScI))
◆◆重力レンズ効果
ダークマターの3次元マップの作成などのさまざまな観測に用いられてきた「重力レンズ効果」とは、いったい、どのような仕組みなのだろうか。

重力レンズ効果とは、遠方の天体の姿が、本来の天体の姿とは異なって「歪んで」観測される現象である。
光が曲がることは一般相対性理論から導かれる現象で、一般相対性理論の正当性を証明した現象のひとつである。光は重力にひきつけられて曲がるわけではなく、重い物体によってゆがめられた時空を進むために曲がる。対象物と観測者の間に大きい重力源があると、この現象により光が曲がり、観測者に複数の経路を通った光が到達することがある。これにより、同一の対象物が複数の像となって見える。光が曲がる状態が光学レンズによる光の屈折と似ているため重力レンズと言われる。

上はその効果を示したCGである。1つの銀河から発せられた光(白い矢印)が、中央にある重い天体の影響によって曲げられ、それぞれ別の経路で地球へと届く。地球上の観測者からは、あたかも2つの同じ天体があるように見える。オレンジ色の矢印は見かけの光の経路である。
▼「重力レンズ効果」による「アインシュタイン・リング」の光の輪

「重力レンズ効果」によって「アインシュタイン・リング」の馬蹄形状に見える銀河。
発表されたハッブル宇宙望遠鏡撮影の画像には、赤みがかった巨大な銀河が、一部が切れた青い輪に囲まれている様子が捉えられている。この馬蹄形の輪は、実際にはかなり離れた距離にある銀河だが、地球から見て手前にある赤い銀河の強い引力により時空がゆがめれ、光が曲げられたものである。
◆ハッブル撮影画像から発見、「重力レンズ」で多重像に 2015年3月
地球から93億光年離れた銀河内で起きた超新星爆発が四重に見えるのを、ハッブル宇宙望遠鏡の撮影画像から発見したと、米カリフォルニア大などの国際研究チームが米科学誌サイエンスに発表した。銀河の手前、約50億光年先にある銀河団の強い重力がレンズの役割を果たしているため。この「重力レンズ効果」で過去に銀河などの多重像が見つかっているが、超新星の四重像は珍しい。

超新星爆発は、重い恒星が寿命を迎えて爆発し、明るく輝く現象。四重像は昨年11月の撮影画像から見つかり、詳細な分析の結果、手前の銀河団自体が一つの大きなレンズとなる上、銀河団を構成する個別の銀河も小さなレンズとなっていることが分かった。
このダブル効果により、超新星の光はさまざまなルートをたどって地球にたどり着き、多重に見えるだけでなく、数年から十年間隔で何回も見えることが判明。約20年前にも見えたと考えられるほか、今後10年以内に再び見える可能性が高いという。
大きな銀河や銀河団には、重力を持つが望遠鏡で直接観測できない謎の「ダークマター」が分布しており、レンズ効果に貢献している。多重像の観測は、逆にダークマターの解明を目指す研究にも役立つという。
◆127億歳の超古い銀河、重力レンズにより観測成功
:ハッブル望遠鏡 2016年7月

今でも膨張を続けているとされる「宇宙」。138億年前に誕生したこの私達のすみかは、今でもさまざまな神秘に満ちています。そしてその宇宙の膨大さを垣間見せるかのように、今回ハッブル宇宙望遠鏡は127億歳の古い銀河の光の観測に成功しました。
今回ESA(欧州宇宙機関)が同望遠鏡にて観測したのは「Abell S1063」という銀河団です。このAbell S1063自体は40億歳とそれほど古くはないのですが、この銀河団はその巨大な重力によって後ろから発せられた光を湾曲させる「重力レンズ効果」を生み出しています。
そしてその重力レンズ効果によりAbell S1063の後方で発見されたのが、127億歳という超古い銀河なのです。宇宙の誕生は約138億年前とされているので、この銀河は宇宙の誕生(ビッグバン)から約10億年後に誕生した相当な古株だということになります。
ESAは公式声明にて、「重力レンズ効果により、ハッブル宇宙望遠鏡は非常に弱い光を観測することに成功しました。それは、宇宙の非常に初期段階に誕生した銀河たちだったのです」と語っています。
今回の観測で発見されたのは16個の銀河で、その光は曲げられ、複数の像を作り出しています。またこの重力レンズ効果を研究することにより、今後は通常物質やダークマターの重力モデルについての解明が進むことが期待されています。
◆◆重力レンズの種類
重力レンズは3つの種類に分類される。
◆強い重力レンズ (strong lensing)
レンズ源の影響が強く、アインシュタイン・リング、弓状に変形した像 (arc)、複数の像など、光の曲げられる現象が明らかに観測されるもの。
◆弱い重力レンズ (weak lensing)
レンズ源の影響が比較的弱く、多くの天体の光線データを集計することによって、統計的にレンズ効果と判定される現象。宇宙初期の背景マイクロ波が地球に届くまでに銀河形成によって揺らぐ統計などの研究がなされている。
◆ダークマターの必要条件
ダークマターが存在するといわれ始めた当初、その正体はまったくわかっていなかった。それから長い間、ダークマターの正体を突き止めるべく、さまざまな観測が行われてきた。積み重ねられた観測結果によって、かつて期待されていた、いくつものダークマター候補が脱落していった。しかし同時に、天文学者は少しづつその正体に近づいてきてる。
ここで、現在までに明らかにされてきた、ダークマターであるための必要条件を考えてみる。
【1】 どんな種類の光(電磁波)も発しない。
【2】 どんな物質とも、ダークマターどうしでも、ほとんどぶつからない。
【3】 宇宙初期に、ほぼ速度ゼロの冷たい物質だった。
【4】 銀河などの見える物質の約5倍の総質量である。
◆◆現段階でのダークマターの最有力候補
ダークマターの“必要条件”を満たすものとして、現在、主に二つの素粒子が注目されている。
◆ニュートラリーノ
ダークマターの候補である「ニュートラリーノ」は、力を伝える素粒子のパートナー(超対称性粒子)の中で、電荷を帯びていないフォテーノ(光子のパートナー)、ジーノ(Z粒子のパートナー)、そしてヒグシーノ(電荷を帯びていないもの)のことをさす。
▼超対称性粒子で赤丸のフォテーノ、ジーノ、ヒグシーノが「ニュートラリーノ」

ニュートラリーノは、理論上、その存在が予言されているものの、いまだ発見には至っていない「超対称性粒子」とよばれる素粒子グループの一員である。
超対称性粒子は、電子などのあらゆる素粒子に対して、それぞれペアを組む素粒子の総称である。
ペアどうしで、どんな所が異なるかというと、「素粒子の自転の勢い」に相当する量が異なるのである。この量は「スピン」とよばれる。
素粒子には、電子やクォークなどの「物質を形づくる素粒子の仲間」と光子やグルーオンなどの「力を伝える素粒子の仲間」がある。
前者のスピンは、2分の1で、後者のスピンは1もしくは2である。
超対称性粒子は、それぞれペアとなる素粒子とは、スピンの数値が2分の1だけ異なっている。
つまり、スピン2分の1の電子やクォークの超対称性粒子のスピンは0になる。
スピン1の光子の超対称性粒子フォティーノのスピンは2分の1である。
スピンが0のヒッグス粒子の超対称性粒子のスピンは2分の1になる。
◆陽子の約1000倍の重さをもつ「ニュートラリーノ」
超対称性粒子の中で、ダークマターの最有力候補とされている「ニュートラリーノ」は、光の素粒子(光子)とペアを組む「フォティーノ」、弱い力を伝える素粒子の1つ(Z粒子)とペアを組む「ジーノ」、ほかの素粒子に質量をあたえる素粒子(ヒッグス粒子)とペアを組む「ヒグシーノ」である。
超対称性粒子は、たいへん大きな質量をもつ。ニュートラリーノも、たいへん重い素粒子だと考えられ、質量は陽子の約1000倍ともいわれる。その重さゆえに、動く速さも遅く、ダークマターの性質にも合う。
もし、ニュートラリーノがダークマターだとしたら、宇宙全体で考えたニュートラリーノの密度は、1000立法メートルの空間あたり1個程度の計算になる。
◆アクシオン
もう一つのダークマターの最有力候補は「アクシオン」である。
アクシオンもニュートラリーノと同様、理論上、存在が予言されているが、まだ発見されていない。
アクシオンには、強い磁場の影響のみを受けるという特殊な性質がある。
アクシオンは強い磁場の影響を受けると、光子になると考えられている。磁場が強ければ、強いほど光子に変わる確率は高くなるという。
さらに、アクシオンはニュートラリーノとは対照的な性質をもっている。それは、質量がたいへん小さいことである。
アクシオン1個の質量は、陽子の100兆分の1程度しかないといわれる。このため、もしアクシオンがダークマターであるとしたら、1000立方メートルあたり1兆個の10万倍の密度で存在することになる。
これほど軽ければ、アクシオンはニュートラリーノのように高速で飛んでおり、ダークマターの候補から脱落するのではないかと思われるが、アクシオンは、ほかの粒子とほとんどぶつからず、高速で動くために必要なエネルギーをほかの粒子との相互作用からもらわない。
このため、宇宙初期に誕生したそのときから、アクシオンの速度はほぼゼロだったと考えられており、冷たい物質であるというダークマターの条件を満たしていることになる。
◆◆ダークマターの観測
ダークマター最有力候補の一つであるニュートラリーノを捉えようとする試みが、現在、世界各地で行われている。
捉えるといっても、ダークマターそのものを捕獲するわけではない。ダークマターがほかの物質とごく稀におこす衝突の痕跡を見つけて、ダークマターがやってきた証拠をとらえるというわけである。
◆ダークマター検出装置「XMASS」
2010年、岐阜県飛騨市神岡鉱山跡の、地下1㎞地点に、東京大学宇宙線研究所が、ダークマター検出装置「XMASS」を建設した。
検出器の中は、-100℃にまで冷やされて、液体になったキセノンで満ちている。もし、検出器に飛んできたダークマターがキセノンの原子核にぶつかると、光が発生する。この光を650本ほど設置された「光電子倍増管」という検出機器でとらえて、信号に変えるのである。
地下に設置されたのは、ダークマターのほかに宇宙から飛んでくる宇宙線の侵入を防いで、“雑音の信号”である「ノイズ」を減らすためである。
XMASSは現在試験運転中だが、まだダークマターの信号は検出されていない。
◆「ADMX」アクシオン・ダークマター検出実験
1989年、アメリカ、ローレンスリバモア国立研究所にいたカール・ビッバーが、アクシオンを捉えるプロジェクト「ADMX」アクシオン・ダークマター検出実験を開始した。
この実験は、アクシオンが強い磁場の影響を受けた際に変化した光子を捉える実験である。「ADMX」の実験では、宇宙の星間の磁場よりも1000億倍ほど強い磁石を使っているという。しかし、いまだ、発見の報告はないという。
◆「アルファ磁気スペクトロメータ」AMS-02
ダークマターどうしの衝突の痕跡を捉える観測も行われている。ダークマター粒子どうしが偶然、正面衝突をすると、両方とも消滅すると考えられており(対消滅)、その消滅の際、陽子や電子、それらの反物質、ニュートリノ、ガンマ線がが放出されると考えられている。
アルファ磁気スペクトロメータ(Alpha Magnetic Spectrometer: AMS-02)は、米国エネルギー省が指揮をとり、世界16カ国、56機関から構成される国際的なチームで運用される最新技術を結集した素粒子検出器である。
▼ISSのS3トラス上部に設置されたAMS-02のイメージ

◆◆宇宙最大の謎「ダークマター」の証拠捉えたか。
ISSに設置したアルファ磁気分光器AMS-02
2013年4月3日、欧州合同原子核研究機関において、サミュエル・ティン(マサチューセッツ工科大学教授)らの研究グループが「ダークマターが実際に存在する可能性を示す痕跡を発見した」と発表した。国際宇宙ステーション(ISS)に取り付けたアルファ磁気分光器を使い、陽電子を観測した。
ダークマターがニュートラリーノであると仮定すると、互いに衝突して消滅する際に陽電子が飛び出すと考えられている。星や銀河の成り立ちの謎を解き明かす一歩となる成果である。

AMSが狙ったのは、銀河系の中心部に大量にあると考えられている未発見の素粒子同士が、衝突したときに出す可能性がある「陽電子」。電子と反対の電荷を持つ陽電子が、電子と比べて過剰に飛来していれば、ダークマターが出した信号と考えられ、直接の証拠といえるという。
AMSの運用は、16カ国のCERNやNASAなど56機関が参加する国際研究チームが行っており、今回の成果の詳細は米国物理学会誌「Physical Review Letters」に掲載される。
AMSは2011年にISSに設置された、宇宙線陽電子や反陽子をプローブとしたダークマターの間接探索や反物質の直接探索などの実験に用いられる装置。
◆ニュートラリーノを加速器で人工生成できるか・・・
ダークマターを捉えるだけでなく、人工的につくってしまおうという試みも行われている。具体的には、ダークマターの最有力候補であるニュートラリーノを作る試みである。
現在、ニュートラリーノをつくることができる装置として、最も期待されているのが、スイスのジュネーブ郊外の地下に設置されている「LHC」 (Large Hadron Collider)大型ハドロン衝突型施設という巨大実験加速施設である。
▼「LHC」 (Large Hadron Collider)の内部

LHCは、2012年7月、「ヒッグス粒子」とみられる新しい素粒子を発見したことでも話題になった。
LHCは、1周が27kmの円形の施設で、この中でほぼ光速にまで加速された陽子どうしが正面衝突する。衝突のエネルギーは莫大である。このときの衝突地点は、宇宙誕生のビッグバン直後の高エネルギー状態に近い。
宇宙初期には、このエネルギーを使って、ダークマターのような重たい素粒子もつくられた、と考えられている。つまり、宇宙初期の状態を再現できる加速器の中であれば、ダークマターが生まれてきてもおかしくはない、と期待されている。
LHCは、今後、現在よりもさらに大きなエネルギーを生みだすことができる実験を開始する予定らしい。
加速器を使って、ダークマターをつくりだすことができる可能性は、今後さらに高まっていくだろう。












