サウジアラビア (22) アル・クライマット
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サウジアラビア
5日目
【マダイン・サーレ遺跡】
アル・クライマット、ナバティアの井戸、ディワン、エスリブの丘、アル・ヴィント、
アル・ファリド、アルウラの夕陽
▼マダイン・サーレ (アル・ヒジル Al Hijr)
【マダイン・サーレMADAIN SALAH (アル・ヒジル Al Hijr)】
サウジの旅のハイライトともいえるマダイン・サーレ(MADAIN SALAH)は、アルウラから北東に約22kmのところにある。
紀元前2世紀前半頃に交易により繁栄したナバティア王国の「南の首都」だという。
ナバティア王国の「北の首都」は、有名なヨルダンのペトラである。
◆マダイン・サーレの伝説と名前の由来
マダイン・サーレとは、”サーレの町”という意味で、アル・ヒジル Al Hijrというのが本当の名前だそうだ。
ムハンマドがイスラム教をおこす以前、タムード人の中にサーレという預言者がいて、
アラーの神は、タムード人にラクダを与え、預言者サーレを介して、「ラクダを慈しみ育て、生活の糧にしなさい。」と伝えたのだが、
なぜかタムード人たちはラクダを全て殺して食べてしまう。
怒った神は、サーレと彼に従う人々をのぞき、タムード人を滅ぼしてしまったという伝説がマダイン・サーレの名の由来という。
この不吉な言い伝えを持つ土地として、ベドウィンや地元民にはいい印象を持たれておらず、あまり近付きたがらないという。
これからマダイン・サーレの遺跡をゆっくり観光していきましょう。
まずは、カサール・アル・クライマット(Qasr Al Khuraymat)。
◆◇◆ カサール・アル・クライマット(Qasr Al Khuraymat)
この地区には53の墓が残っていてほとんど同じ構造になっている。内部には遺体の安置する場所と生前使っていたものなどの埋葬品を置く棚があるだけでシンプルそのもの。
この外部装飾の華麗さと内部のシンプルさの対照は、なるほどペトラ遺跡と類似している。
外部には上部に「天国への階段」といわれる5段の階段の彫刻の装飾が左右にある。
5段というのは当時の信仰の対象だったドゥッシャーラ神(鷲)、アルラト神、マナト神、シアアルカウン神(キャラバンの神)など5人の神の数からきている。
またお墓には2種類あって、5段の階段の装飾で左右に大きく2つ彫られているのが、一家の中で最初に男性が死んだ墓。小さいものがたくさん装飾されているのが、一家の中で女性が先に死んだ墓という。
▽内部の遺体の安置する場所と埋葬品を置く棚
カサール・アル・クライマット(Qasr Al Khuraymat)の観光が終わり、次はナバティアの井戸へと向かう・・・・